
こんにちは。
今回は個人事業主として起業する際の開業届と青色申告についてです。
個人事業主としてビジネスを始める場合に気になるのが開業届を出すか出さないかということですよね?
開業届は『開業日から1ヶ月以内に管轄の税務署へ提出する』という事になっていますが、出さなかったからといって罰則がある訳ではないので、ビジネスをしていても開業届を出していない人は意外と多いようです。
では開業届を出すことのメリットや意味は何なのか?
僕が実際に開業届を出した時に思った事を書いていきたいと思います。
開業届を出す意味
開業届を出すと何が変わるのか?
これは、
- 屋号を名乗れる(銀行口座が作れる)
- 起業したという実感が湧く
というくらいで、実は開業届を出しても出さなくてもこれ以外には大したメリットはありません。
開業届は管轄の税務署に提出するのですが、実際に開業届を出す際も、絵にかいたような事務作業なので5分くらいで終わります。
開業届という自分の事業に関する書類なのでかなり意気込んで行ったのですが、質問をしても、担当の人からは非常にライトな返答が返ってくるだけでした(笑)。
ちなみにこれが実際に提出した開業届。
画像を見ても分かるように記載する部分はごく僅かで、実際に開業届を提出してみるとポカ~ンとするほど簡単に終わってしまいます。
それもそのはず、開業届というのはあくまでも『〇〇年〇月〇日から事業を始めました』という届出。
税務署からしてみると、この宣言よりもきちんと納税してもらう事に意味があるので、もう一つの書類の方が大事になってきます。
青色申告承認申請書を提出する
そこで、開業届と一緒に提出する必要があるのが『青色申告承認申請書』。
ハッキリ言って開業届よりもこちらの方が節税に関わってくるものなので、僕らにとってはとても重要な意味を持ちます。
これは『きちんと決められた方法で記帳するので、収入から65万円(10万円)を控除して税金を安くしてね』という書類です。
この『青色申告承認申請書』は、青色申告を希望する年の3月15日までに提出する必要があり、1月16日以降に開業した場合は開業日から2か月以内に提出しなければいけません。
まあ簡単に言うと、提出できる期限が決まっているので必ず開業届と一緒に出しておくのがベストという書類です。
青色申告には複式簿記と簡易簿記というものがあるのですが、これは名前の通り、ちょっと面倒な方法で記帳をすれば65万円の控除、簡単な記帳だと10万円の控除が受けられるというものです。
こう書くと、『専門知識がないから控除額が安くても簡易簿記の方がいいかな・・・』と心配になりますよね?
でも大丈夫です。
後ほど紹介する会計ソフトを使えば記帳は簡単なので、迷うことなく複式簿記の65万円控除を選びましょう。
せっかく起業して稼いでも、税金でごっそり持っていかれては意味がないので、個人的には会計を理解して節税を学ぶ上でも複式簿記を選んでおいた方がいいと思います。
その他の青色申告のメリットには
- 赤字になってもそれを3年間繰り越せる
- 家族を従業員として雇って給料を経費にできる
- 通常は数年に分けて経費にするものも30万円未満であれば一括で経費にできる
といったものがあります。
これも節税対策にはとても重要な項目です。
白色申告と青色申告はどっちがいい?
申告の方法には青色申告だけでなく白色申告というものがあるのですが、これを知るとどちらにすればいいかと迷ってしまうかもしれません。
2つの申告のメリットを簡単に説明すると、
- 青色申告⇒記帳の手間がかかる分、節税効果が大きい
- 白色申告⇒節税効果はないが、帳簿への記帳と保存の義務もなし(なので手間がかからない)
というものでした。
しかし、2014年から白色申告にも記帳が義務化されたので、今となっては白色申告を選ぶメリットはありません。
僕もこの辺りは色々と調べて理解するのに時間がかかりましたが、基本的には青色申告の複式簿記一択で問題はないと思います。
実際に税務署の職員さんもそれを薦めてきましたしね。
無料の記帳指導が受けられる
そんな訳で、開業届と青色申告承認申請書を提出して、無事に起業と節税に必要な手続きを終えたことになります。
これでやっと個人事業主として起業したんだな~と思いながら仕事に励んでいると、しばらくして税務署から手紙が届いていました。
『えっ、なに?さっそく税金を払えってこと?』
と、若干ビビりましたが、開封すると『無料で記帳指導しますよ~』という内容でした。
これは無料で税理士さんに記帳指導してもらえたり、会計ソフトの使い方を教えてもらえるというものです。
税務署からしても税金をしっかりと納めてもらうために必要とは言え、こういったサポートが受けられるって本当にありがたいですよね。
こういったところに税金が使われているんなら、きちんと記帳して税金を払おうという気になります(笑)。
僕は最初からMFクラウドという会計ソフトを使っていたので記帳に関してはあまり苦戦しなかったのですが、それでも自分のやり方が本当にあっているのかどうか不安になりました。
なので、こういったサポートが使えるうちに、専門家の先生の話を聞きながら、しっかりと経理の勉強をするといいですね。
会計ソフトを使おう
実際に僕がやっておいて、本当に良かったと思っているのが会計ソフトの導入です。
青色申告の記帳は複式簿記という少し面倒な記帳方法になると書きましたが、これは会計ソフトを使う事で簡単に解決できます。
しかも、昔は数万円するパッケージ版の会計ソフトしかありませんでしたが、今は月額千円未満のクラウドの会計ソフトが主流。
どのパソコンからでも利用できて(Macでも使える)、パソコンを買い替える時も面倒な作業が必要ないので本当に便利になっています。
クラウド会計ソフトはMFクラウドとfreeeが有名ですが、この2つだとfreeeがおすすめ(MFクラウドより操作がわかりやすい)。
最初に会計の基礎的な事をマニュアルで勉強する必要はありますが、freeeは銀行口座やクレジットカードと連結させて自動で収支を取り込むことができるので、使い方を覚えたら本当に楽チンです。
僕の場合は、1ヶ月分の収支の振り分けも5分くらいで終わってしまいます。
さらにfreeeを導入することでお金の流れがしっかりと見えるようになったので、しっかりとした計画も立てれるようになりました。
なので、開業届と青色申告の届け出をしたら、クラウドの会計ソフトも必ず申込んでおくようにしましょう。
その方がハッキリ言って、経理の負担が100倍楽になります。
(というか、会計ソフトなしでは僕は無理・・・。)
個人事業主向けのfreeeだと、月額980円で利用できて30日の無料期間もついています。
会計の手間をかなり短縮することができるので是非試してみて下さい。
まとめ
こんな感じで、僕が開業届を出した時に思った事を記事にしてみました。
節税面では開業届を出すこと自体にあまり大きな意味はなく、それよりも青色申告の申請を出しておくことが大切です。
そして、青色申告では控除額の大きい複式簿記を選んだら、MFクラウド確定申告などの会計ソフトを使って経理業務を簡単にしておきましょう。
この辺りの経理や節税面が疎かなままだと、必死になって稼いだお金のほとんどが税金として持っていかれるという悲しい事態になってしまいます。
起業してビジネスを始める場合は、お金を稼ぐという『攻め』と、節税するという『守り』が必要だと先輩経営者の方が教えてくれました。
開業届を出すというスタート時点で、守りもしっかりと固めておくようにしましょう。