ビジネスの場でも使われる『フット・イン・ザ・ドア』という心理学用語を知っていますか?

この『フット・イン・ザ・ドア』というテクニックを意識して使えるようになると、商談や交渉を有利に進めることができるようになります。

 

実際に優秀な営業マンの中には意識的か無意識かに関わらず、このテクニックを使っている人は多いです。

では、フット・イン・ザ・ドアとはどういったテクニックなのか?

 

今回は具体例も交えて解説しています。

 

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フット・イン・ザ・ドアとは

フット・イン・ザ・ドアとは、いったん開けられたドア(玄関)に足を挟み込めば相手は閉めることができず、どんどん中に入り込むことができるという意味。

営業マンが玄関のチャイムを鳴らして、家の人が出てきたら玄関に足を突っ込んでドアを閉められなくするというイメージからついた名前です。

 

 

もちろん、本当に足を使ってドアを閉められなくするというものではありません。

フット・イン・ザ・ドアを簡単に言い表すと、『YES』という返事をもらいやすい小さなお願いから始めて、どんどんお願い事を大きくしていくというテクニックになります。

 

まず最初に必ずOKをもらえるようなハードルの低い要求をして、これを承諾してもらえたら本命のお願いごとを切り出すといった感じですね。

こうすることで普通にお願いするよりも相手が承諾する可能性が高くなります。

 

ではなぜフット・イン・ザ・ドアを使うことで相手が承諾してくれる可能性が高くなるのか?

その理由は、人は自分自身の行動や態度を一貫させておきたいという「一貫性の原理」が働くためです。

 

簡単に言うと、一度、要求に答えて相手を受け入れてしまうと途中でその流れを断てなくなり、受け入れたままの状態をキープしてしまう訳です。

 

相手から誠実な人だと高評価を受けているのに、途中から態度を変えて不誠実に振る舞うのは難しいですよね?

このように、一度とった信念や態度を変えるのは精神的に大きな負担がかかります。

 

そこで、いかに最初の質問に『YES』と答えさせて、相手のいい人スイッチを『ON』にするかが重要になります。

 

具体的な使用例

例えば、新商品の化粧品を売りたい場合、道行く人にいきなり「この商品を買ってくだい」と言ってもおそらく誰も相手にしてくれません。

そんな時には「新発売の化粧品の試供品があるので、試しに使ってみてもらえませんか?」とお願いすることで、足を止めて話を聞いてくれる人は増えるはずです。

 

これが玄関のドアに足を挟み込んだ状態。

ここから少しづつお願い事を大きくしていきます。

 

  • 試供品を試してもらう
  • 化粧品を使った感想を聞かせてもらえませんか?
  • パッケージのデザインなどに関してアドバイスをもらえませんか?
  • 正しいスキンケアのやり方を書いた資料があるのでプレゼントさせてもらえませんか?

 

こんな感じで対応しやすい質問やお願い事を重ねていくと、相手の中には「自分はアンケートに協力してあげているいい人」というスタンスが出来上がります。

そこで、「ありがとうございます。今日は実際に販売している商品もあるので、気に入っていただけたら一本いかがですか?」とお願い。

 

すると、今までの話の流れで『YES』を続けてきているので、購入してもらえる可能性が増えるという訳です。

あなたも、このように話の流れで商品を購入してしまった or 頼まれごとをOKしてしまったことがありませんか?

 

試供品の配布やアンケート調査などはまさにフット・イン・ザ・ドアの最初の一歩

過去を振り返ると、自分もこのテクニックを使われていたんだと思い当たることがあると思います

 

最初に『YES』と答えやすい小さなお願い事をして徐々に要求のレベルを上げていく。

自分がフット・イン・ザ・ドアテクニックを使う場合はこの部分を意識しておきましょう。

 

ビジネス編

例えば部下に大量の書類のチェックをしてほしい場合には、1度に全ての量をお願いするのではなく、「大した量じゃないんだけどこの書類をチェックしておいてもらえないかな?」と本来よりも少ない量でお願い。

 

その後で「ごめん、こっちにも書類があったんだけど追加でこれもお願いしていい?」という言い方をすると、作業を一度承諾している相手は、このお願いを断りづらくなります。

 

あと、フット・イン・ザ・ドアとは少し異なるのですが、一貫性の法則という面では取引先との交渉の際には相手に自分の信念を表明させておくことが重要。

例えば「最近は過剰なまでの下請けに対する値引き要求や、従業員に不当に長時間残業させることがニュースになっていますね。」と世間話を持ち出し。

「本当にそうだよね。そういう人は経営者失格だよ。」と、相手がそれに同調した後に商品やサービスを勧めれば、自分は「過剰な値引きを求めない人」という部分に一貫性の原理が働くので、自分が勧める商品も値引きを求められることはなくなります。

 

さらに「幸い、〇〇社長をはじめ、うちのお客さんの中にはそんな経営者の方がいないので本当に恵まれています。」と付け加えることで、相手はますます邪険な態度を取れなくなります。

 

恋愛編

フット・イン・ザ・ドアは心理学のテクニックなので、ビジネスの場だけでなく恋愛でも応用することができます。

 

 

例えば気になる人と一緒に食事に行きたい場合。

最初から食事に誘うのが少しハードルが高い時は、小さなお願いできっかけを作ってから食事に誘うようにすると成功率が上がります。

 

まずは、

  • 姉(妹)の誕生日プレゼントのお返にどんなものがいいかアドバイスくれない?
  • 仕事で分からない部分があるんだけどちょっとだけ相談に乗ってくれない?
  • 風邪で講義を休んだから、ノート見せてくれない?

 

という感じで、相手が『YES』と答えやすいお願いをして、仕事終わりや学校帰りに10分だけでいいからと言って時間を取ってもらいましょう。

そして、「せっかくだから(お腹が減ったから)、時間があるならご飯でも食べながら話そうか?」と切り出せば、最初から食事に誘うよりもぐんとハードルは低くなります。

 

まとめ

フット・イン・ザ・ドアは小さなお願い事で行動のきっかけを作って、徐々にお願い事のレベルを上げていくというテクニック。

 

部屋を片付けて欲しい場合は、

  1. とりあえず机の上を整理しよう
  2. 出たゴミをまとめて捨てよう
  3. ついでに他にいらないものがあったら一緒に捨てよう
  4. ものが少なくなったから、この際ついでに部屋を掃除しちゃおう
  5. ここまで綺麗にしたなら雑巾がけもすれば完璧だね

 

といった感じで、どんどん要望を上げていきます。

そうする事で、最初から「部屋を掃除して!!」というよりも、相手が行動してくれやすくなります。

 

文章で見ると少し難しく感じるかもしれませんが、実際に意識して使ってみるとかなりの効果があることが分かるので、是非ともお試しあれ。